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手先は器用でも生き方は不器用

手先は結構器用だけれど 生き方は意外と不器用。 歯科技工学科の専門学校に通う若色唯咲、20歳の日記。

§ 偽りの日々 バスから見た風景

 
男からの動きが無いまま電車は終点に着いた。
冷汗かいて損したなどと思う間もなく、
電車を降りる人の波、波、波。


ホームの階段を上りきると更に人、人、人。


改札に定期券を突っ込むと(そう、自分はsuicaユーザーではない)
何故か引っかかる。

それもそのはず、定期券と間違って献血手帳を突っ込んでいた。
全てが面倒になったので改札を飛び越えついで、そのまま駅の西口をでる。

西口前は市バスとタクシーのロータリー。
グルグルと目が回るように入れ替わり立ち代りする車両を眺めるのが好きだった。

フロントガラス以外の窓に黒いカーテンがかかった車が路地から出てくる。
乗っているのは若い男性(ビジュアル系崩れ)。
ホストか。駅の周りにはそういう店が多いしな。
タクシーとニアミスを繰り返しながら別な路地へ吸い込まれていった。




目の前のバス停に止まったバスから人が数人吐き出され、
それと入れ違いにバス停に並んでいる人たちが飲み込まれていく。

この人数だと座れそうに無いな。
次のバスでも学校にはギリギリで間に合うから、次でいいか。

バスは重く唸ってバス停を離れた。

すると直ぐに別のバスがロータリーに入ってきた。
行き先の表示を見る。

間違いない、学校前のバス停経由のバス。

今度は整理券をとって乗り込んだ。
窓側の席に座って車外を眺めると、不思議なバイクがバスの合間を縫っていくのが見えた。



黒いバイクだが、車体自体はさして珍しくない。

そのバイクのライダー胴体の上にはまるで

某電撃文庫のデュラハン(首なしライダー)のものを模したかのようなヘルメットが(具体的に言うなれば、ネコの耳のような突起のついた黄色のフルフェイスヘルメット)乗っていたのだ。

一瞬、フルフェイスの向こう側の人物と目が合った様な感覚に陥ったが、
すぐに黒バイクはパトカーとバスとタクシーの合間を縫って路地へ消えた。

コシュタバワー(首なし馬=黒バイク本体)の嘶きを聞くことは出来なかったが、
アレはきっと伝説の首なしライダーだったのだろうと

個人的な趣味から勝手に結論付けた。


先ほどの黒バイクがビルの壁を垂直に登る場面を想像していると、そのうちにバスも身震いをし、他のバスとバスの間に身体をねじ込んでロータリーを抜けた。





運転席の真後ろに座ると、運転手の動きがよく解る。
アクセルやクラッチを踏む動きも、運転手の目線も。
此のバスは常に二速発進。一速のギアは余り使わないらしい。



運転手がアクセルを踏み込むと同時に小声で車内アナウンスを流したのを、自分は聞き逃さなかった。












『離 陸 い た し ま す 、 ご 注 意 下 さ い 。』





【続く?】




99.9%捏造のクォリティー【虚言日記】



 
 
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2006/09/05/Tue 23:33:03  【虚言】九割九分九厘捏造記事【日記】/CM:0/TB:0/
new 全ての道は献血ルームに通ず 【第三章】 / MAIN / 偽りの日 入れ違い 思い過ごし old

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